豊崎博光『マーシャル諸島 核の世紀 1914-2004』(日本図書センター)から

一九五八年九月二八日、それまでの憲法を改正して大統領の権限を強化した“ド・ゴール憲法”が国民投票で支持され、ド・ゴール大統領は一〇月五日に新憲法を公布して、第五共和制を発足させていた。一〇月二三日、ド・ゴール大統領は、「フランスが原爆実験を行う日は近づいている。近く自前の原爆を持つことになろう。核実験停止は原水爆を蓄積した国の武力を減らすことにはならない。したがって、実験停止は手順として誤りである」と言明した。翌年一九五九年六月三日にはジャック・スーステル原子力相が英仏議会で、「米英ソが核実験を停止したとしても、三国は依然として原水爆を保持することになる。従って、フランスも保有のために原爆実験を行う」と声明した。フランスの原爆実験計画に対しては、日本をはじめモロッコなどアジア、アフリカ諸国が再三反対を表明し、国連でも反対決議が可決された。核実験停止を考えているアメリカも実験を思いとどまらせようとした。しかしフランスは、世界の反対を無視して強行した。実験成功を聞いたド・ゴール大統領は政府関係者に祝電を送った。/「フランス万歳。今よりわが国は、誇り高い強国である」。

Kimra Iron's Ownd/鉄考書

木村鉄に才能はありません。 が、そこからしか考えることも書くことも、できません。  詩のように小説を。 小説のように詩を。 物語は、 理論として構成として構想として概念として。

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