飯沢耕太郎『眼から眼へ 写真展を歩く 2001-2003』(みすず書房)から、

新宿二丁目の古いビルの四階に新しいギャラリーができた。名前は「photogrphers gallery」。それほど大きくはないが、シンプルで感じのいい展示室とスタッフ・ルームを備えた、なかなか魅力的なスペースである。/メンバーは一六人の共同運営で、八人の女性写真家によるオープニング展(一月十一日~二月四日)、中尾曜子「死画像」展(二月一〇日から二十八日)と続き、今回はギャラリー設立にあたって中心的な役目を果たした北島敬三さんの個展「千のポートレート」が開催された。/北島さんによれば、ギャラリー設立のきっかけとなったのは、去年の一〇月頃、当時教えていた東京造形大学の学生たちとの会話だったという。写真が好きで、なんとか卒業後も続けたいと考えている学生も、「撮って発表していくという方法論」をしっかり持たないと、「せっかく芽生えた情熱が横滑りする」ことになってしまう。そんな彼らに「たとえばギャラリーなんかどうだろう」と話したところ、すぐに反応が返ってきて、それからとんとん拍子で準備が進んだのだそうだ。/今は、バブル時代にくらべると地価が下がっていて、新宿でも月一五万円という値段で部屋を二室借りることができた。一六人で負担すれば、それほどの額ではない。工夫次第では、自分たちのスペースを割りに簡単に確保できるということだ。



Kimra Iron's Ownd/鉄考書

木村鉄に才能はありません。 が、そこからしか考えることも書くことも、できません。  詩のように小説を。 小説のように詩を。 物語は、 理論として構成として構想として概念として。

0コメント

  • 1000 / 1000